昨日、東京にて「住まい・まちづくり担い手事業情報交流会」が開催され、
当ネットワークも出席してきました。
今年度、国土交通省の住まいまちづくり担い手事業による助成の採択を受け、
空き町家の活用を中心としたまちづくりの活路を見出すため、
「空き町家の実態調査」、「地域の暮らし実態調査(ワークショップの開催)」
「観光ツーリズム調査」、「地場産業振興調査」と計4項目の調査を実施し、
その取り組みの報告をさせていただきました。
トップバッターだったので、どんな感じで報告させてもらえればよいのか。。
ちゃんと伝えられたでしょうか。
当ネットワークを初めて知る方がほとんどだと思いますので、
調査の実施内容だけでなく、もう少し当ネットワークの取り組み内容、
設立までの経緯も踏まえながら話をすればよかったなぁと終わってから思いました。。
他の団体さんは、特に京都や奈良などで、先進的に空き町家に対しての取り組みを
されていまして、大変参考になるものばかりでした。
具体的には…
金融機関とのタイアップによる空き町家の改修、活用の方策
相続対策、不動産の信託による町家の再生
空き家に住もう実験
当ネットワークでも取り組みを検討していきたいと思える内容がたくさんあり、
今後、改めて時間をつくって視察等させていただきたいと思いました。
後半は住まい・まちづくり担い手事業の選定委員長でおられます
筑波大学の大村謙二郎教授の基調講演でした。
日本の住まい・まちづくりに対する、非常に将来を見据えられた内容で
目からウロコの内容でした。
以下、講演内容の一部分を抜粋します。
成長時代の終焉、あるいは新たな持続可能な地域社会の維持の課題
一方で残る成長パラダイム:我が町だけはまだ、人口・世帯は伸びる、住宅需要は存在し、
人々は豊かさを求め、より広い家を求める
どう成長神話から脱却できるか
経済成長が必ずしも幸せと結びつかない、
物質的豊かさが精神的豊かさ、安心・安定に結びつかない
・身近な歴史・文化、環境への関心の高まり:地域固有の文化、風土、風景の見直し
・伝統的地域社会の維持困難性、無縁化・疎遠化の中での
新たな地域社会・コミュニティ再生の動き
・脱成長、成熟時代に対応したストックマネジメント、地域資源・文化の再生・活用
・超高齢化社会に対応する取り組み:ハード、ソフトの住まい・まちづくり技術
地域住民・企業・専門家を包含するようなNPO組織
多様な個性を尊重し、交流の中から学び、創発する運動体を築きあげる
グローバルな広がりの中でローカルな環境の良さを磨きあげていく
要するに
グローバリゼーションの中で進む画一化、均質化、効率化の一方で、
ローカルな環境、すなわち地域固有の文化、風土、風景を見直し、
良さを磨きあげていく必要がある。
行政だけでもなく、住民だけでもなく、専門家だけでもなく、企業だけでもなく、
皆がそれぞれ連携し、知恵と経験を出しあって共助していくことが
これからの時代に求められているということです。
当ネットワークも、行政、住民、専門家が連携し合っている団体です。
設立して1年と少し、ようやく目が出始めてきたところです。
近江八幡は町家だけにとどまらず、自然風景、食文化等、
たくさんの資源に恵まれている、本当にすばらしい地域です。
また、かのヴォーリズさんは、近江八幡は世界の中心だとおっしゃっていたそうです。
先人が遺していただいた資産に感謝しながらも、
それをさらに活かし、近江八幡を次世代を見据えたまちにしていきたいと、
大村先生の講演を聞いてそう思いました。